【大久保登喜子の 今日も馬日和】〜Tokiko’s Horsy Journal〜 東京五輪テストイベント3日目

大久保登喜子 TOKIKO OKUBO

長年にわたって、「乗馬ライフ」「馬術情報」などの編集・制作に携わり、国内外の馬術競技会や、馬のイベント、選手、馬に携わる人たちを取材、交流を続けている国際馬術ジャーナリスト。著書に「ヨーロッパ夢の競馬場 ぜ〜んぶ馬の話」、翻訳書に「クラウス・フェルディナンドの触れ合い調教法 馬と踊ろう」、「ホースライディングマニュアル」などがある。

 

金メダルはミヒャエル・ユング(ドイツ)

銀・北島隆三、銅・大岩義明

 

表彰台のメダリスト、中央・金メダルのミヒャエル・ユング、左・銀メダルの北島隆三、右・銅メダルの大岩義明 ©Tokiko OKUBO
 

8月14日、世田谷の馬事公苑ではテストイベントの3日目、障害飛越競技が行われた。
台風10号の影響で、突然大雨が降ったり、ジリジリ照りつけたり、不安定ながらも競技中はほとんど雨のない環境で試合が進行した。
 昨日のクロスカントリーの疲れも見せず、16名が昨日までの成績のリバースオーダー(成績の下の人馬から出場し、1位の人馬が最後になる)で走行した。
 障害11個(高さ120cm、14飛越)のコースはシンプルながら7番の直線上のトリプルがやっかいだ。

 

優勝して馬場を去るミヒャエル・ユング ©Tokiko OKUBO
 

クロス終了時の上位4名までの点差はわずかだから、誰かが1落下(減点4)すれば、メダルの行方が変わる。4位の大岩、3位の北島、2位のユングが無事クリアラウンド、ところが最終走者、昨日の1位アンドルー・ホイが7番のトリプルに引っかかり、1落下した。そこで5位に後退だ。2、3位は初日の馬場馬術の減点だけで、それぞれ1位ずつ繰り上がって金、銀メダルとなった。
表彰式のプレゼンターはサブリナ・イバニェスFEI事務総長、千玄室日馬連会長、後藤正幸JRA理事長と豪華な顔ぶれであった。
海外からのトップクラス選手6名を迎えて展開した東京2020へのテストイベント、各選手、チームそれぞれに高温多湿の日本の夏を馬とともに体験して、残す1年間でどう対処して行くだろうか。

 

<順位>
金メダル ミヒャエル・ユング(GER)&フィッシャーワイルドウエイブ号28.00
銀メダル 北島隆三(JPN)&ヴィックデュジゾールJRA号28.20
銅メダル  大岩義明(JPN)&バートエルJRA号30.10
4位 ジョージー・スペンス(GBR)&ホールタウンハーレー号30.60
5位 アンドルー・ホイ(AUS)&ブルーム号31.70

(国の略号はGER=ドイツ、GBR=イギリス、AUS=オーストラリア)

 
 

銀メダルの北島隆三とヴィックデュジゾールJRA号 ©Tokiko OKUBO
 
 

表彰式のメダリスト(後列)と手前左から後藤正幸JRA理事長、千玄室日馬連会長、サブリナ・イバニェスFEI事務総長 ©Tokiko OKUBO