【大久保登喜子の 今日も馬日和】〜Tokiko’s Horsy Journal〜 第87回ローマCSIO 於:ピアッツア・ディ・シエナ

大久保登喜子 TOKIKO OKUBO

長年にわたって、「乗馬ライフ」「馬術情報」などの編集・制作に携わり、国内外の馬術競技会や、馬のイベント、選手、馬に携わる人たちを取材、交流を続けている国際馬術ジャーナリスト。著書に「ヨーロッパ夢の競馬場 ぜ〜んぶ馬の話」、翻訳書に「クラウス・フェルディナンドの触れ合い調教法 馬と踊ろう」、「ホースライディングマニュアル」などがある。

 

第87回ローマCSIO 於:ピアッツア・ディ・シエナ

 

 (ボルゲーゼ公園内)

5月23日〜26日

 

 5月のローマはみずみずしい新緑が輝いている眩しい季節です。ローマCSIOの会場は永遠の都ローマのど真ん中、ボルゲーゼ公園の中、シエナ広場。周囲は深い森で、馬場はみずみずしい緑の芝生。空気が爽やかで森林浴をしながらの馬術大会です。時計のロレックスや衣料のロロ・ピアナなどがスポンサー、CSIOというのは各国で年1回開くことができる公式の国別団体戦の意味で、ネーションズカップの名で知られるFEI公認の団体戦です。つまりこの大会はイタリアを代表する競技会という訳です。
CSIOとは言いながらどことなくローカルで、イタリア選手が圧倒的に多く、家族的なのが特徴。ボルゲーゼ公園はイタリアでも有数のボルゲーゼ美術館、近代美術館、映画館、動物園などが森の中に点在して、自然と文化が一体となっています。
ローマの5月は美しすぎます。競技会の取材より観光名所を歩きたいところをぐっと抑えて競技会に張り付きました。太陽さんさん、温度は東京と同じぐらいの20度ちょっとですが、熱中症になりそう。
 ボルゲーゼ公園の中にシエナ広場とは別に馬場があり、そちらでは低いクラスの競技が繰り広げられ、2箇所を結ぶ電気自動車が運行しています。


ローマ・シエナ広場でのCSIO大会。初日のスピード競技展開中。目に沁みる青葉の中での競技会です。テントの中は有料だが、普通の観客は傾斜のある芝生に自由に腰を下ろして観戦できる。中央で走行中なのはフランスのオリビエ・ペロー。
©Tokiko OKUBO

 

●23日、150cmクラスのS&H(スピード・アンド・ハンディネス)ではイタリア選手が圧倒的に多いものの、現世界ランキングナンバー・ワンのスイスのスティーブ・ゲルダやかつてランキング首位に名を挙げたアメリカのケント・ファリントン、イギリスのスコット・ブラッシュなど大物もずらりと登場。オランダの元オリンピック・チャンピオン、ヨルン・ダブルダムも出場です。ダブルダムは最近イスラエルのコーチに就いたばかりで、イスラエルの選手の出場の多さにも驚きです。

1位:パオロ・パイーニ (ITA)&チャッコリー号   59.18秒    6250ユーロ
2位:ヨルン・スプレエ (GER)&ルナ1509号    59.79秒    5000ユーロ
3位:ジェシカ・スプリングスティーン(USA)&ヴォラージュデュヴァル号
4位:ローラ:クラウト(USA)&ヴラモグドゥブレーブ号
5位にオランダのヨルン・ダブルダム、23位のフランスのケビン・スタウト、26位にスウェーデンのペダー・フレデリクソンなどの名前が上がっています。フレデリクソンは5月1日づけFEIの世界ランキングで2位上がってきた選手です。
 好天のローマも午後6時過ぎに雨がぱらつき、屋外競技の辛いところです。

初日のS&H競技に優勝したイタリアのパオロ・パイーニとチャッコリー号
©Tokiko OKUBO