【大久保登喜子の 今日も馬日和】〜Tokiko’s Horsy Journal〜 オリンピック馬術テストイベント 第1報

大久保登喜子 TOKIKO OKUBO

長年にわたって、「乗馬ライフ」「馬術情報」などの編集・制作に携わり、国内外の馬術競技会や、馬のイベント、選手、馬に携わる人たちを取材、交流を続けている国際馬術ジャーナリスト。著書に「ヨーロッパ夢の競馬場 ぜ〜んぶ馬の話」、翻訳書に「クラウス・フェルディナンドの触れ合い調教法 馬と踊ろう」、「ホースライディングマニュアル」などがある。

 

オリンピック馬術テストイベント 第1報

大岩義明初日を制す

 

初日の馬場馬術でリードした大岩義明とバートエルJRA号 ©Tokiko OKUBO
 

 オリンピック・パラリンピックの馬術競技のテストイベント(リハーサル)が8月12日開始した。
 テストイベントは総合馬術のみで、世田谷の馬事公苑と海の森クロスカントリー場が会場となる。初日の馬場馬術はまだ工事半ばの馬事公苑で。工事中とあってテストイベントの一般公開はなく、観客は関係者、招待客に限られている。
 出場選手は16名(17頭)、そのうち10名が日本選手である。
 馬場馬術競技は8時半に開始され、初日を制したのは大岩義明とバートエルJRA号。3名のジャッジが全て1位をつけて(75.5%=減点24.50)、世界ランキング15位の貫禄を見せた。
 2位はオーストラリアのアンドルー・ホイ(2000年シドニーオリンピックの金メダリスト)とブルーム号(減点27.40)、3位に2012年ロンドンオリンピック、2016年リオ・オリンピックを2連覇したドイツのミヒャエル・ユングとフィッシャーワイルドウエイブ号
(28.00)がきた。
 13日に海の森競技場でクロスカントリーがあり、14日の馬事公苑での障害飛越で締めくくり、総合馬術の3種目が全て終了する。さあ、順位はどう入れ替わるだろうか。初日の馬場馬術のポイントを保持するのが勝利への道である。
「20年近くヨーロッパで暮らして、競技に出ているので、日本で支援してくれる方のほとんどは私がどんな競技をしているのか、知らない。こうしてホームの日本でお見せできる機会ができて嬉しい」(大岩義明)
 JRA馬事公苑所属の戸本一真は、タコマ号で7位(30.40)。トレーナーのウィリアム・フォックス・ピット(9位、31.40)より上位にきた。
「自分の職場として隅々まで知り尽くした馬事公苑ですが、すっかり変わってしまったところもあり、あそこに見える森のようにかつてのままのところもあり、懐かしいです」
(戸本一真)
「すごい暑さと湿度で大変だろうと心配されるが、アスリートとしては問題ない。クロスカントリーコースを下見したところ、ギャロップする距離が長いので、馬にとってつらいかもしれない」(ミヒャエル・ユング)
 総合馬術の花、クロスカントリーは13日午前10時スタートする。テストイベントのコースはオリンピックレベルより低い3スターのショートCCI3*-Sで行われる。

 
 

新しい馬事公苑のインドアアリーナのバルコニーより観戦中 ©Tokiko OKUBO