第4回 第5課目(2009年 東京乗馬倶楽部)

大田芳栄&パーチェ

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第4回

 

今回お届けする動画は2009年当時の或る一日の運動内容です。
最初のコンタクトを低く取っての準備運動から、徐々に頭頸を高く上げての運動に到り最後に再び馬体をストレッチさせるまで、組み立てに全く無駄がなく、すべての運動に明確な目的や意図が感じられます。
時間の経過と共に馬の体勢が変わってゆく様は、何度見ても非常に参考になります。

 

第5課目─①(2009年12月18日)

20170209_ohta_icon_1 まず手綱は長めの中で速歩や駈歩でウォーミングアップをしていきます。その後、手綱を短くした中で常歩でのバランスと速歩を一定のペースで行えることの確認をしています。

 

第5課目─②(2009年12月18日)

20170209_ohta_icon_1 肩内やハーフパスに入る前の体勢の維持はもちろんですが、ハーフパスの最中もバランスをキープしながら角度(腰が先行したりしないように)を調整しています。
この日は駈歩でのピルーエットを行っていますが、当時は私自身もあまりよく分かっておらず、準備せずにピルーエットに入っています。ですので、後肢に乗り切れずに回って中途半端な状態です。今思うと、輪乗りから徐々に詰めて行き、ピルーエットに入る準備をするトレーニングを行うと良かったと思います。

 

第5課目─③(2009年12月18日)

20170209_ohta_icon_1 フライングチェンジの前の駈歩でバランスが崩れないでキープする事を確認しています。やり直している時はバランスが崩れ、扶助が通らなくなって変換することができませんでした。また、駈歩の後の速歩でも、勢いで動こうとしているものは違う、という事を繰り返し指示しています。そして、最後には再び手綱が少し長いところでのクールダウン、手綱が長くなって運動の終わりでもバランスはキープし、リラックスして終われることを意識しています。

 

今回は本人の的確なコメントが取れましたので、私は余計な解説を控えました。
優れた人馬の日常のトレーニングがみなさまの日々の騎乗に役立つ事を願っております。

 

企画・構成・文 河村 修(Facebook